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想い出深い作品「綿の国星」

先日のディスクユニオン お茶の水駅前店での

「鈴木マツヲ」サイン会には

たくさんの方々が来てくれました。

ありがとうございました。


あの日、ディスクユニオンで

アルバム『綿の国星』のレコード(帯付き)を

購入されてた方がいましたが、

『綿の国星』は僕にとって

とても想い出深い作品なんです。


今、あらためて聴いてみると、

ボーカルが若い!(笑)というか、

自分のボーカルスタイルを模索している感じもあり、

それも味となって、なかなか初々しいですね(笑)


漫画家・大島弓子さんの代表作でもある

「綿の国星」のイメージアルバムで

作詞は大島さん、プロデュースは鈴木慶一さん、

作曲&演奏はムーンライダーズという

とても豪華な企画のアルバムなんですが、

なんとボーカルは松尾清憲なんです。


それもシネマでデビューする前というか、

まだこの時点では、デビューはちゃんと

決まっていなかったので、アマチュアですよね(笑)


慶一さんによれば、僕のボーカリストとしての

力を試してみようということもあったようです。


もし僕の歌が今ひとつだったら、

どうしたんでしょうか?(笑)

賭けですね。大抜擢。


それにしても、

アルバム全曲のボーカルとはびっくりしましたが、

それだけ期待されているんだなと光栄でした。


僕にとっては

生まれて初めてのレコーディングですから、

いろいろと思い出します。


このアルバム『綿の国星』がきっかけで

ムーンライダーズの皆さんとも繋がっていきました。


冒頭を飾る岡田徹さん作曲「ねむれない夜」は、

岡田さんの仮歌がかっこいい

トム・ウェイツばりのかすれたような

ハスキーなボーカルだったので、

この歌い方を参考にしました。


夏を迎えるこの季節に聴きたくなるのが

橿渕哲郎さん作曲の「夏の来る日」

鈴木博文さんの「海にいるのは」

どちらも素敵な作品です。


そして慶一さん作曲の

タイトルソング「綿の国星」は

白井良明さんのギターソロも冴えてる

ブリテッシュ・ロックの香りたっぷりの名曲。

ラストを飾るバラード「ぐみ」では

武川雅寛さんのエキセントリックな

バイオリンが印象的です。


大島さんの繊細で詩的な歌詞が

この頃のムーンライダーズにぴったりで、

あらためて名盤だなと思います。


そして、このレコーディングの後半に

差し掛かった頃、シネマの曲が

ハウス・コーヒーゼリーのCMに採用され、

シネマのデビューが決まることになります。


『綿の国星』でのレコーディングは

とても自信になりました。


松尾清憲





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